テーマと構成を決めて書き上げた文章を、自分で客観的に読んで練る「推敲(すいこう)」。さらに良い文章を目指す上で重要な作業です。ただ、推敲のポイントがわからないまま読み返しては無駄になります。

■推敲のポイント
推敲の具体的なポイントとして、意識すべき点があります。
①嘘がない
最も間違えてはいけないのが固有名詞です。人名、地名、作品名、ブランド名など。また、日付・時刻・金額などの数字も確認したい点です。
ほかに、「チョコミントフレーバーを発売するのは今年初めて」のような『初○○』『史上最大』といった、物の順序に関する単語も、キャッチコピーとしては引きがあるため使いたくなりますが、本当に『初』や『史上最大』なのか、事実確認をしたいです。大げさな修飾語も合わせて注意します。
②意味が通る
伝えたいことがちゃんと伝わるか。途中で話が脱線していないか。最初と最後で伝えたいことが変化していないか。主語と述語が論理的に合っていなければなりません。
③言葉の使い方が正しい
表現や文法が正しいか。誤記がないか。汚名挽回、台風一家、危機一発など。また、どこかで聞いたような古臭い決まり文句「いかがでしたか?」「ぬけるような青い空の下で〜」などは、削るかオリジナルな表現に言い換えるべきでしょう。
④見た目に違和感がない
単語の重複や同じ文末が続いていると違和感を覚えます。漢字ばかり、かなばかりになっていないかもチェックします。「とき」(時)、「こと」(事)、「もの」(物)、「という」(と言う)、「のほう」(の方)、「など」(等)、「ところ」(所)、「いる」(居る)、「ほしい」(欲しい)は、使用場所の意味を理解し、漢字をかなに開きます。また、重複しがちな頻出語でもあるため、別の単語や表現に換えたり、並び順を調整したりして対応します。
⑤声に出しても読みやすい
長い段落や文を短くできないか。接続語は削れないか。読みづらい部分は句読点の位置や別の言葉を検討します。
■推敲後は文の最初から読み直す
直した部分だけ文章から浮いてしまうことは少なくありません。推敲が終わったら、修正した部分だけを確認するのではなく、文の最初から通して読んで、バランスをもう一度確認します。
最初は推敲に時間がかかってしまいます。慣れれば推敲だけでなく、書いている段階で間違いに気づく場合もあり、直しの箇所も少なくなるため、結果として文章の制作スピードも上がります。
(文/NEWSY エディター・京岡栄作)
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